内科・消化器・肝臓・糖尿病・代謝内科・かぜ・ワクチン・インフルエンザワクチン接種・胃食道逆流症・便秘症・機能性消化管疾患・慢性肝炎
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当院での骨粗鬆症の治療方針
1 はじめに
骨粗鬆症とは
骨強度が低下し
骨折のリスクが増大しやすくなる
疾患と定義されています。
原因の70%は骨密度低下であり
骨密度低下の原因として
年齢、性別、食事や運動習慣
他の疾患など多岐にわたります。
日本での骨粗鬆症の
患者さんは約1280万人で
全人口の約10%と非常に多い疾患です。
女性ホルモンと
骨密度の関連性が強いため
閉経後の女性に特に多くなります。
50歳代の女性の10人に1人
60歳代の女性の 3人に1人
70歳代の女性の2人に1人が
骨粗鬆症であると言われており
女性にとっては身近な疾患です。
骨粗鬆症では全身の骨の強度が
低下していくわけですが
その際一番問題になるのは
普段は気がつかないものの
常に体重を支えている背骨(脊椎)や
大腿骨の骨折(代表的な骨折として
腰椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折)を引き起こし
それをきっかけに運動ができなくなり
寝たきりや認知症が加速度的に進むことです。
つまり、骨粗鬆症を適切に発見
治療しておかないと重大な骨折を起こし
健康寿命(元気に長生きする)を
極端に短くしてしまうリスクが上がるため
ご自身の骨密度を把握し
治療が必要か
検討しておくことは非常に大事です。
2 当院での骨密度検査と診断
当院での骨密度検査は
手のレントゲン撮影を行い
骨の密度を測定することで行います。
骨密度の測定以外の方法としては
レントゲンでの脊椎骨折の有無などを
確認する方法がありますが
この場合は原則的に整形外科を受診して
診断していただきます。
骨密度が一定以上
低下している場合は
その程度に応じて
治療の必要性を検討いたします。
一般的に骨密度が
低下しているかどうかの判定は
同性の若年成人の
平均骨密度( YAM )
との比較することになります。
当院ではガイドラインに沿って
以下の基準で薬物治療の
適応を決めております。
● 今までに腰椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折を
起こした事がある場合、骨密度に関係なく
治療開始が推奨されています。
● 骨密度がYAMの80-90%の場合、骨粗鬆症
予防の簡単な指導と経過観察が行われます。
● 骨密度がYAMの70-80%の場合、以下が当
てはまる患者さんに対しては薬物治療が開
始されます。
そうでない場合は、骨粗鬆症予防の簡単な
指導と経過観察が行われます。
① 今までに脆弱性骨折( 少し転んだ程度で骨
折してしまった )を起こした事がある
② ご家族で大腿骨頸部やその周辺の骨折を起
こした方がおられる
③ 骨折リスク評価ツール( FRAX )で10年
間の骨折確率が15%以上
● 骨密度がYAMの70%以下の場合、原則的に
薬物治療の適応となります。
3 当院での薬物治療
当院では
治療開始時に患者さんの骨吸収
骨形成の程度を血液検査で
確認するように努めております。
日内変動や腎機能の影響などを考慮して
骨吸収マーカーとして
TRACP-5b
( 酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ )
骨形成マーカーとして
P1NP
( Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド )
を主に使用しています。
また
血液や尿中のカルシウム
リンなどの測定を行い
骨粗鬆症の原因疾患が
無いか確認いたします。
ほとんどの患者さんでは
骨吸収が亢進していることから
骨吸収を抑えるために
ビスフォスフォネートもしくは
抗RANKLモノクローナル抗体と
いう系統の薬剤を開始します。
骨吸収を抑えることによって
顎骨壊死という合併症を
起こす事がまれにあります。
虫歯や歯科治療
によって発症リスクが
上がる事が分かっていますので
治療前に必要な
歯科治療
を
できるだけ終わらせておき
治療中はマウスケアをしっかり行うことを
推奨させていただいております。
また
このお薬を服用中に
歯科治療を行われる場合は
治療前後でのお薬の中止が
必要な場合がございますので
必ず事前にお知らせいただけますよう
お願いいたします。
女性の場合
閉経後早期に骨密度が低下し
比較的長期に渡って薬物治療が
必要と考えられるケースでは
上記薬剤の代わりに選択的
エストロゲン受容体モジュレーター
( SERM )という薬剤を
お勧めする場合がございます。
女性の骨粗鬆症の主要因として
閉経による
エストロゲン( 女性ホルモン )
の分泌低下がございますので
不足したエストロゲンの作用を
賦活させる効果が期待できます。
静脈血栓症が
起こりやすくなると報告がありますので
車椅子や寝たきりの
患者さんには使用できません。
骨形成が低下している場合は
骨折の履歴がある場合や
高度の骨密度低下がある場合
骨形成を増やすような薬剤を
投与する場合があります。
また、カルシウム摂取不足が
背景にあるような
( 負のカルシウムバランス )場合
カルシウム製剤や
活性化ビタミンD製剤を
処方する場合がございます。
いずれの場合でも
当院では定期的( 約半年を目安 )に血液
レントゲン検査を行い経過観察しながら
治療を行ってまいります。
薬物治療と並行して大事なのは
食事でのカルシウム
ビタミンKの
摂取や日常的な運動習慣ですので
こちらに関しても
適宜指導させていただきます。
参照
骨粗鬆症の予防と治療 ガイドライン2015年版
治療方針を詳しく
説明しています
音声再生
を
お試しください。